なるべく短編形式で読めるようにしていきます。
一つの世界でいろんな人の話が交錯するようにしていけたらな、と思います。
ギャグ調です。
「てめぇさっさと帰れよ!!」
「そんな事言われたら余計帰りたくなくなるなあ~」
「二人ともこんな所で争うのはやめて下さーい!!」
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ああもう何でこうなってるのか説明するのも面倒臭いとゆうか…まあ面倒臭いんだけども。
あ、自己紹介がまだでしたね!初めまして、僕の名前はミヤといいます。
一年前に故郷を飛び出して立派な魔導士になろうと日々旅を続けている身であります。
そして隣を歩いているのが僕の師匠、カイトさんです。
師匠なんだけどな~んかチャラチャラしてるってゆうか掴み所のない、そもそも名の知れた(本人曰くですよ)魔導士だってゆうのが甚だ怪しい感じなんですけど、今や頼れる相手が師匠くらいしかいないのでこうして一緒に旅をしている訳です。
事実魔法の腕前に限らず剣術もなかなか達者で(きっと本気はまだ出してないんでしょうけど)頼りにはなるんですけどね。
けど難点が一つ……
こうして自分で言うのも恥ずかしい話なんですが師匠、極度の゛親バカ゛なんです…
僕に対する愛情が異常ってゆうか…いや、異常ですねアレは。
決して変な事されたりしてはいないんですけど僕の逐一の行動が気になって仕方ないらしいです。
でも僕ももう17歳なんですし、確かに顔は童顔かもしれませんがそこまで気にしなくても……と思うんですよ正直。
きっと親代わりのつもりなんでしょうけど。
僕の両親はまだ赤ん坊の頃に死んでしまって今までたった一人残った肉親の祖母に育ててもらっていたのですが、その祖母も昨年病に倒れ亡くなってしまい、ついに一人になった僕の前に現れたのが師匠でした。
この先どうしようと祖母の墓前で途方に暮れていた僕を拾ってくれたのが師匠でした。
まあそんな昔話はまたの機会にするとして、紆余曲折経た結果今に至るのです。
そしてその今が問題なのです!!
「あれ~ミヤくんどうしたの?一人で百面相なんかしちゃって」
「あなたのせいでしょうがっ!!!!!!」
ああ……そうなのです、本来ならば僕と師匠での二人旅の筈が何故かこの気持ちの悪い変態じみた男が引っ付いてきているのです。
「いやーどんな顔でもミヤ君なら可愛いからいいけどねっ」
サラリとした青髪から片眼だけを見せ満面の笑み…もといかなり気色の悪い笑顔を浮かべ近寄ってくるこの男。
名をペインと言って、僕達の住むこの世界(シーフィード)を脅かす魔族側の人物なのである。
シーフィードを自らの手中にしようと画策し、残虐非道の限りを尽くしている…と言われている割にはこの男にはそんな威厳も感じなければ恐怖も感じない。
見上げればニヤニヤと相変わらずの笑みを讃えた、やっぱり気色悪い笑顔があるだけだ。
何で僕にこんなに絡んでくるのかと一度尋ねたところ
「だって可愛いから」
の一言で済まされた。
僕はもちろんれっきとした男なのでそんな事言われたって全然嬉しくないのである。
「ペイン、お前自分の仕事があるんだろうがよ!こんな所で俺達に構ってねーでさっさと失せろ!」
師匠のこめかみに青筋が浮いて顔面の筋肉がピクピクと痙攣している、これはかなり怒っているようだ。
僕は諦めて傍観を決め込むと二人のやりとりを何とも言えない視線で見つめた。
「だから~、さっきから言ってるけど僕の次のお仕事が君達が向かってる街なわけ。だったらこれはもうそれまでの道のりを可愛い~ミヤ君と一緒に旅した方が断然楽しいじゃん」
「ああ゛!?俺の存在は無視かよ!!」
「そんな事言ってないでしょ~、でもまあ僕の眼中には全く入らない事は確かだよね」
「そりゃこっちの台詞だこのド変態!!!!!!」
(駄目だこりゃ、終わりそうもない)
盛大な溜息をついていがみ合う二人の間に割って入って行くと本当に巨人に挟まれてるんじゃないかって気分になるんだけど(二人とも背が高いんです)そんなのにも負けず精一杯睨み付けるとさっきまで唾を飛ばし合っていた二人の勢いがいきなり納まってお互いにブツブツと言い訳をし始めた。
そんな下らない言い訳は置いておくとして、最終的に僕の勝手な判断でペインさんをとりあえず、次の街までは旅の仲間に加える事にした。
師匠はかなり渋ったけど駄目だと言った所でこの変態魔族はついて来るに決まっているからここはもう潔く好きにさせておくが良いのだ。
もちろん鬱陶しい事に変わりはないのだが、せっかくなのでこの謎にまみれた魔族から何らかの情報を引き出せたら、という薄い望みもある。
別に世界の危機に興味があるわけでもなくて只、真実を知りたいのだ。
僕の両親が何故死んでしまったのか…幼い頃に聞かされた話とは違う真実、それには今世界を脅かす魔族や、あまつさえ世界の中心とも言える王都が関わっているらしい。
結果的にその話がもしかすると何らかの形をもって今この世界で起こっている強大な争いと関係してくるかもしれないのである。
その為には多少の危険ももちろん伴うわけだが、近くで魔族と(しかもかなり上の地位にいるであろう人物)こうして争いもせず触れ合う機会などそうは無い。
何か知っているなら聞き出したいというのが正直な心情だ。
下らない事は良く話すくせに肝心な話になるとのらりくらりといつも交わされてしまう。
馬鹿に見えて流石は魔族、伊達に長生きしてないと見えて頭の回転は早いようだ。
僕は知らない事だらけだ。
いや、こんな広大な世界に住んでいて知らない事だらけなのは当たり前だし何も僕だけの話じゃない、けど何かが違うのだ。
漠然としたものではあるが、まるでモヤがかかったような…思い出さなくてはならない大事な事を忘れているような…自分自身の事ですらあやふやに感じてしまう。
「おいミヤ!ぼーっとしてんじゃねえぞ!さっさと行かねーともう日が暮れちまう」
師匠の声にハッと我に帰ると少し離れた距離を埋めるように後を追い掛ける。
「ミヤ君今日は野宿になるから僕と一緒に寝る~?」
両手を広げてペインさんが僕の前に踊り出るとすかさず師匠がパンチをお見舞いしてそれを無駄な動きで華麗に交わす。
「あーーもうっ!てめえ気持ち悪いくせにいちいちキラキラした効果みてーなの飛ばすんじゃねえよ!!読者に全然伝わんねーんだよっ!!!」
「何だいカイト、ひがみかい?」
サッラァーとゆう効果音と共に髪をかきあげるとバチンとウィンクしながら今度は星を飛ばしている。
「だああー!!ほんと気持ち悪ぃな!!!!」
師匠は頭を掻きむしりながら再び青筋を立てて地団駄を踏んでいる。
「何か……僕の一瞬のシリアスな気分を返してほしくなりましたよ」
僕は肩をがっくりと落とすと暮れ始めた空を見上げ全く予想のつかないこの旅路の心配をするのだった。
この状況はまったくもって予想の範疇を超えている
趣味は読書にゲームに写真撮影とか色々。
実は本家のブログが全然違う名でやってたりするんですがこちらは一応駄文置き場専用という事でひっそり気侭にかなり雑食ジャンル(創作から版権まで)を取り扱っております。
万一リンクしてやろうという方がいらっしゃいましたら報告自由ですので適当に切り貼りしてやって下さい。
基本的にお題大好きなのでお題お借りして書いてます。